パスワードを忘れた方
・スローフード紀行・拡大版
TVゲームでは得られない「できた!」 私たちが、子ども向けのワークショップを開くときは、教えるというよりもテーマを決めて学び取ってもらえるようにします。「こうしなさい」と表現する技術を教えるのではなく、自己表現をしていく楽しさを味わってもらえるようなプログラムです。その中から、想像していくこと、作品を作り上げていくプロセス、出来上がった時の達成感を感じることができたら、それが子ども達たちの生きるチカラになるのかなと感じています。 作り上げていく喜び、作品ができた喜びで「やれた!」「できた!」と実感することは、とても大切なこと。テレビゲームを攻略して「できた!」のとは、感動や満足感が違います。人が作ったゲームよりも、講師やボランティアスタッフと出会い、話を聞き、仲間とともに作り上げる感動は、きっと成長していく中でも心に深く残っていくでしょう。 プロセスを大切にするため、集まってすぐに制作に取りかかることはしません。例えば、葉っぱ一枚一枚の違いを見て、自然と対面することから始めます。そうすることで自然や人の違いを認め、「違っていていいんだ」と生きていることを実感するでしょう。 「そんな事もしていいんだ!」という驚きから、自由の発想へ。 本来なら、 図画工作や美術には正解・不正解などはないはず。ところが学校の授業となると、どうしても評価をしなくてはいけないので、先生があらかじめ枠を決め、その出来次第で評価することになります。時間も限られています。だからこそワークショップでは、学校ではできない事をやらせてあげたい。今までの固定観念にとらわれないような自由な発想の中で「こんな方法もあるんだ!」「そんな事していいんだ!」と思ってもらいたい。 異年齢の子どもたちが集うことも、ワークショップのいいところです。小・中学生以上になると、ここはこういう思いこみが生まれています。色にしても、描き方にしても。ところが就学前の自由な発想を持つ子どもと共に活動をしていく中で、「あ、そんなやり方があったんだ!」「小さい頃にしてた!」と気付く。学びの連鎖反応で、自由な発想で活動していけるようになります。それは、子どもだけではなくボランティアで参加している大学生のスタッフにもいえることです。 体験することが、子どもたちのチカラに。 子どもの中には、いろいろなキラキラしたモノがつまっています。それを引き出してあげることが大切ですが、親だとついつい口出ししてしまいたくなるようです。「そこはこの色がいいんじゃないかな」とか、「もっと上手に描けないの」とか。そうなると子どもは楽しくないでしょう。時には親の目の届かない場所で、思いのままに活動する機会があってもいいと思いますね。 子どもたちは敏感です。今自分がいる場所が安全な場所なのか、発言をしていい場所なのかを、すばやくキャッチします。そして「ここは大丈夫」と思うと安心して活動していけます。活動に集中して自分を見つめる。自己表現していく。そして次第に自分自身が解放されていく。それは、子ども自身にとってはかけがえのない時間となります。 また、体験することで いろいろな力がついてきます。コミュニケーションする力、自分の言葉で自分らしく話す力、そして「次に何をする」「こんなモノを作る」といった先を見通せる力、自己発言する力。最初は戸惑ってもいても、回数を積み重ね、継続していくうちに子どもたちは変わっていきます。その変化にも驚かされるし、見ていて楽しいものです。